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「キャリア・デザイン」授業レポート -対面とオンラインのハイブリッドで「教職学協働」によるキャリア教育が更に進化-

デザイン工学部デザイン工学科の3年生向け共通教養科目である「キャリア・デザイン」の模擬面接が、5月16日(月)と5月23日(月)の2回に渡って行われました。昨年度はオンラインでの実施となりましたが、今年度は対面形式とオンラインのハイブリッド型授業で行われました。 また、以下のような変更点を加え、「教職学協働」によるキャリア教育を更に進化させました。

【昨年度からの変更点】

模擬面接の時期を前倒しで実施

参加学生が「模擬面接をして終わり」ではなく、面接「後」にも十分時間を取り、「実際に誰を採用するのか、それはどうしてか」などを発表させたり、自分の面接の様子を動画で確信し、そこから何を感じたかなどを考える時間を確保。


模擬面接対象の企業群は、あらかじめ選抜した上で学生が選択

学生があまり情報がない企業を選定してしまうことで、ファーストステップとしての「情報収集」の視点やスキルがアップしないリスクを防止。


ゲスト(卒業生の社会人や職員)から模擬面接中に学生への質問を実施

昨年度のゲストは模擬面接の講評をメインに行っていましたが、今年度はそれに加え、面接官役と一緒に質問を実施。実際に実際に企業で人事業務等を担う卒業生やキャリサポの職員からの、多種多様な質問に対応する経験を学生に積ませる。

デザイン工学科 共通教養科目「キャリア・デザイン」とは

  • デザイン工学科3年生向けの集中講義(200分×7週間)。
  • 採用者・就活生の役に分かれて行う模擬面接は、事前に学生が志望する就職先10社を想定し、2週に渡り実施。今年度は対面の利点を活かし、面接は別室で個人面接の形とし、面接室への入室から退出までを体験させた(その他の学生は教室からスクリーンで様子を見守る)。
  • 企業研究を踏まえて面接担当者が作成したオリジナルエントリーシートは、「miro」というオンラインホワイトボード上で事前共有。
  • 担当教員のみならず、本学の学部・大学院の卒業生や、キャリアサポート課の職員はZoomで参加し、就活生に質問をしたり、面接の内容を講評。

本番を想定した模擬面接の様子

学生達が「採用担当者役」と「就活生役」に

本科目の模擬面接では、学生達が「企業の採用担当者役」(10社分)と「就活生役」にそれぞれなりきり、ロールプレイング形式による面接が行われました。 この取り組みは、学生が両方の立場での面接を経験することで、就活を大学受験のような一過性のイベントではなく、「自分のこと」として向き合うこと、そして「就業する」「キャリアを考える」ということの本質を掴むことを狙いとして、2020年度から実施されています。 今年度は、対面実施の利点を活かし、よりリアリティのある別室での個人面接の形を取りました。


担当教員のみならず、卒業生やキャリアサポート課の職員も授業に参加

社会人となった本学の卒業生や就職担当の職員も面接の様子を視聴し、リアリティのある質問の投げかけや、学生達へ細かいフィードバックを行いました。 そして一部の学生に対しては、事前準備や応答内容について高い評価がされました。 またその一方で、「結論ファースト。聞き手に負担をかけないことが大事」、「話に具体性がない。面接官が最後に見返すときに、その人の話が映像で浮かぶ人は印象に残りやすい」、「自分の強みについて、理由や背景をロジカルに伝えてほしい」といった具体的なアドバイスも飛び交い、学生たちも熱心に聞いていました。

全7週間の講義を受講した学生たちは、就活に関する様々な不安や心配事を減少させることができ、そして、今後の学生生活の送り方やキャリア形成のための様々なヒントが得られました。

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参加学生のアンケート結果

実施したアンケートの全ての項目において、7週間後に「赤=常に当てはまる」が減少していました。このことから、「学生が 就活に抱いている漠然とした不安が払拭された」と思われます。しかしながら、「アピールに関する不安」のカテゴリーにおいては赤の割合 は減ったものの、青の割合も一定程度存在しました、これは、模擬面接を経験することによって「漠然とし た不安」は消えた代わりに、「より具体的な不安」に不安の種類が変化したのではないかと推測されます。今回のアンケートで最も大きな良い変化があったのは「準備不足に関する不安」のカテゴリーでした。このカテゴリーの不安が大幅に軽減されていることは、本講義の目的が達成出来ていることを意味していると思われます。

就活の「準備」が何を意 味するのかすら把握出来ていなかった受講前に比べ、受講後は何をどう進めればよいのか、具体的に 何から始めたら良いのかが明確になったということが現れました。

また、「サポートに関する不安」も大幅に減少していました。これは、ゲスト参加した卒業生や職員の支援を目の当たりにしたことが大きな要因と考えられます。自分たちの仕事を見つけるという 活動に関して、多くの大人が応援してくれていることを体感できた学生達は、自信を持ってこれからの 活動を進めてくれるでしょう。

※一部抜粋。左側が第1週の結果・右側が第7週後の結果

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学生のコメント

  • 今の時期に自分のレベルを知ることができ、改善するべき点を明確化できました。もっと自分のことを知り、企業のことを知ることが現状の課題であることも分かりました。
  • 今回の面接から見つかった反省点を踏まえ、頂いたアドバイスをもとにさらに自己分析、準備を進めていきたいと思います。
  • 10年後どんな社会人になり、どんな製品を扱いたいかという質問をしていただき、深く考えられていなかった部分があるなと感じました。特に学部生は院生と異なりポテンシャル採用の要素が大きいと聞きますので、ポテンシャルを感じてもらえるよう、数年後も見据えて考えていきたいと思いました。
  • ゲストの皆さんからの質問が鋭く、答えるのが難しく自分の準備が足りないということを痛感させられました。ただ、本当に貴重な機会で答え方や質問の意図など、 様々な部分で学びを得ることができました。今回の機会を就活の面接で絶対に生かしたいと思います。
  • 学生の採用担当の質問も、もちろん良いのですがゲストの皆さんの質問は企業理念だったり、その企業に入ってどんな風に活躍したいかなど、核心を突いた質問が多く、本来の面接だったらこんなことまで聞かれるのかと、いい勉強になりました。皆さんの講評で採用担当者が何を考えているのか、企業への自分の見せ方などとても参考になりました。

担当教員:デザイン工学科 加藤恭子 准教授のコメント

私が学生だった一昔前は、人に言われたことをやっているだけでもそこそこ楽しく生きていける時代だったかもしれません。しかし、これからは自らの手で道を切り開いていくことで、自分らしく生きることができる時代になっていくような気がしています。

未来に向かって、何にでも前向きに取り組み、自信を持って進める力を育てるためには、たとえ私自身の価値観とは異なっていても、まずは彼らの価値観を尊重し、受け入れることが重要だと考えます。そして彼ら・彼女らがわくわくしながら新しい学びに向き合え、のびのびと自分の考えを主張できる環境(いわゆる心理的安全性の確保された環境)を作ることが、教員としての大切な役割であると考えます。

本「キャリア・デザイン」の講義では、7週間を通じて「想像力」を鍛え、フル活用してもらいたいと思っていました。学生たちが就職活動で必要だと考える「自分を伝える力」や「リサーチ力」の根底には「想像力」があり、この力を持つことは就職活動にとどまらず、彼らのこれからの人生を豊かにしてくれると信じています。

オリジナル記事はこちら

https://www.shibaura-it.ac.jp/news/nid00002469.html