01. 学びの概要

Study

全体的な学びの方針

デザイン工学部デザイン工学科は、多様かつ複雑で、グローバル化した現代社会の要請に応え、消費者・利用者(ユーザー)の側からものづくりをみつめ、それを具体的な形に表現できるデザイン能力を備えた人材の育成を目指しています。

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  • デザイン工学科では、従来型の専門分野と密接に結びついた縦に深める教育と、工学全体からの総合的視野に立ち分野を横断する教育とを柔軟に調和させ、従来の専門性を高めた「深さ」を指向した教育とともに幅広い知識と「視野」を重視した教育を提案しています。
  • デザイン能力を醸成するための教育手法として、「実践」を重視しているのもデザイン工学科の特徴です。産業界と密に連携を取りながらカリキュラムを構築し、実習や体験学習を通じて、人とふれあい、人にやさしいデザインを追究する実践教育の徹底が大きな特徴です。

デザイン工学科の科目群

デザイン工学科の科目群は、共通教養科目、データ・サイエンス科目、デザイン科目、エンジニアリング科目、プロジェクト科目から構成されています。 group

共通教養科目

広い教養を身につけ、地球的視点から多面的に物事を考えることができることを目的とし、地球的視点を重視し外国語科目における英語を8 単位以上取得することを卒業要件にしています。人文、社会科学は技術と人間・社会との関連について知識を身につけ、キャリア系は将来にわたる社会変化を見越し、キャリアデザインを行えるようにすることが役割です。

系列と主な科目

系列 主な科目
人文系 哲学(存在と心)、工学倫理、環境学、科学技術論、近現代史、比較文化論、美学・美術史 等
社会科学系 経済学、社会学/社会情報学、行動科学、法学、政治と国際関係 等
キャリア系 キャリアプラン、キャリア・デザイン、海外工学英語研修 等
教育系 教育原論、教育心理学、人間関係論、教職論、工業科指導法、教育社会学 等
外国語(英語) 総合英語、英語表現、ライティング、テクニカルイングリッシュ、英語プレゼンテーション 等
外国語(その他) 基礎中国語、中国語表現

データ・サイエンス科目

データ・サイエンス科目は、数学、自然科学および情報技術の基礎的な考え方を理解しそれらを応用すること、情報を収集・分析し課題設定の支援を目的とし、データ解析、データ・サイエンスの科目群で編成されています。多くの科目は演習問題を多く取り扱うことで理解が深まりように工夫されています。

系列と主な科目

系列 主な科目
データ解析 線形代数、微積分学、数理計画法、数理モデリング、数値解析、計量経済学、シミュレーション工学、データマイニング 等
データ・サイエンス 基礎力学、集合と論理、工業力学(静力学/動力学)、データサイエンス演習、ベクトル解析、フーリエ変換、ゲーム理論 等

デザイン科目

デザイン科目は、デザインリテラシーとビジネスメイキングの二つの分野から構成されています。デザインリテラシーは、エンジニアやデザイナーが備えるべき基盤としてのデザイン能力を育むための科目です。ビジネスメイキングでは、主にデザイナーやプランナーとして活躍するために必要なビジネス推進に関連した科目が準備されています。

系列と主な科目

系列 主な科目
デザインリテラシー ものづくり概論、デザイン基礎表現演習、構想デザイン論、ユニバーサルデザイン、人間工学、インターフェースデザイン 等
ビジネスメイキング 組織心理学、経営学、企業倫理、マーケティング、財務会計、ビジネスモデル論 等

エンジニアリング科目

ンジニアリング科目には、デザイン工学の体系を構成する主要な専門科目を厳選して配置しています。それぞれの系の中で、基礎的な科目は低学年次に、専門性の高い科目は高学年次に開講し、学修の積み重ねが効果的に発揮されるようなカリキュラム構成をとっています。エンジニアリング科目で特徴的なことは、系に大別され、さらにその中で専門知識のまとまり(専門分野)が分けられており、6つの履修モデルにも対応しています。

系列と主な科目

系列 主な科目
プロダクトデザイン 造形基礎演習、プロダクトデザイン演習、エモーショナルデザイン 等
機能デザイン 3D CAD、機構設計学、有限要素法、熱流体シミュレーション、機械要素設計 等
生産(メカニカルデザイン) 化学、材料力学、材料工学、機械力学、金型工学、生産加工学、エコマテリアル 等
UI/UXデザイン UXデザイン演習、色彩論、コンテンツデザイン演習、情報デザイン論 等
ソフトウェア 情報処理演習、プログラミング、コンピュータアーキテクチャ、データ構造とアルゴリズム、ソフトウェア設計論 等
ロボティクス 電気回路、ディジタル回路、ロボット製作演習、計測工学、制御工学、信号処理、モーションコントロール、人工知能 等

プロジェクト科目

プロジェクト科目は、修得した知識を実践的に使うことで本当に自分の力として身に付けるための科目です。3年次の「プロジェクト演習」では、総合プロジェクト(卒業研究)に取り組むための高度な専門技術を修得し、「プレ」卒業研究に取り組みます。4年次に取り組む「総合プロジェクト」は卒業研究とも呼ばれる科目で、実際の問題において新しい知見の発見、新技術の開発、新たなデザインの提案をします。総合プロジェクトは究極の実践的学修の場であり、4年間の集大成となる重要科目です。

主な科目

プロジェクト演習1〜16、プロジェクト研究、総合プロジェクト

学びの流れ

年次進行にあわせて基礎的な科目は低学年次に、専門性や応用性の高い科目は高学年次に配置されています。

  • 1年次後期には、系ごとに用意された選択必修科目を履修することで専門性を身に付けるとともに自分の適性を知ることができます。
  • 2年次以降は、講義科目と並行して豊富な演習科目が開講され、両科目を併せて履修することで教育効果を高める工夫がなされています。
  • 3年次以降ではプロジェクト科目が開講されます。プロジェクト科目は、それまでに修得した知識を実践的に使うことで本当に自分の力とするための科目です。産業界との密な連携などにより具体的な問題をプロジェクトとして解いていきます。これによりディプロマ・ポリシーを満たす力を身に付けることができます。

科目配当数の比率

route

生産・プロダクトデザイン系

1年次はデザインやものづくりの基礎となる考え方や化学や力学等の基礎理論について講義を中心に学ぶとともに、デザイン基礎表現演習、基礎製図演習、構成基礎演習、造形基礎演習などの演習科目で、手を動かしながら生産・プロダクトデザインに関係の深い工学の基礎知識を幅広く習得します。

2年次はデザインやデータサイエンスリテラシーとして構想デザイン論、数理モデリング、数理計画法などを学ぶとともに、「生産」を重点に学びたい学生は、ものづくりに関する専門科目である金型工学、機構設計学、機械力学等の講義科目に加え、ものづくり実習などで体験的に学ぶことができます。また「プロダクトデザイン」を重点に学びたい学生は、プロダクトデザイン演習等の科目で考える力を鍛えるとともに、マーケティングやユニバーサルデザインなどで、デザインやビジネス構築に必要な専門知識を学ぶことができます。

3年次において「生産」を重点に学びたい学生は、生産加工学、機械要素設計、エコマテリアルなど専門性の高い科目を受講できます。また、前期・後期連続で開講されるプロジェクト演習では、実践的な機械加工実習や試験などを最新システム・設備で学ぶことができます。「プロダクトデザイン」を重点に学びたい学生は、より専門性の高い科目であるエモーショナルデザイン、プロモーション計画論、デザインマネージメントなどを受講できます。また、プロジェクト演習により調査、提案、モデル作り、プレゼンテーションを行い、総合的に実践力を養います。「機能デザイン」を学びたい学生は、データマイニングやシミュレーション工学、熱流体シミュレーションなど、さまざまな解析手法を学ぶことができます。

4年次は総合プロジェクト(卒業研究)を通じて、生産・プロダクトデザインに関する課題解決にチャレンジし、解決策を切り開くことで、総合的実践力、自主性、コミュニケーション力を持つことを目標とします。

ロボティクス・情報デザイン系

1年次はデザインやものづくりの基礎となる考え方について、講義を通して学ぶとともに、構想デザイン入門、デザイン基礎表現演習、情報表現基礎演習、情報処理演習などの演習科目で、手を動かしながらロボティクス・情報デザインに関係の深い工学、及びデザインの基礎知識を幅広く知ることができます。

2年次は構想デザイン論にてデザインアプローチの基礎を固めるとともに、各自のキャリアを意識して専門科目を選択して履修します。「ロボティクス」を重点に学びたい学生は、基礎エレクトロニクス、ディジタル回路、計測工学、制御工学の講義科目に加え、ロボット製作演習などを体験的に学びます。「ソフトウェア」を重点に学びたい学生は、データ構造とアルゴリズム、コンピュータアーキテクチャ等の講義科目やオブジェクト指向プログラミングを中心に学びます。また「UI/UXデザイン」を重点に学びたい学生は、UXデザイン、コンテンツデザイン、インターフェースデザイン等の講義科目に加え、関連のデザイン演習科目にて情報デザインの基礎やユーザー視点の考え方、手法、表現方法を体験的に学ぶことができます。

3年次は「ロボティクス」を重点に学びたい学生は、信号処理、モーションコントロールなどメカトロニクスに関する専門性の高い科目を受講できます。また、前期・後期連続で開講されるプロジェクト演習では、画像処理をはじめとするセンサ情報処理や、ロボット技術を用いたシステムの分析・設計等を、実習を通して学びます。「ソフトウェア」を重点に学びたい学生は、ソフトウェア設計論、人工知能など専門性の高い科目を受講しつつ、プロジェクト演習にてLinuxプログラミングやデータモデリングなどの実践的知識を修得できます。また、「UI/UXデザイン」を重点に学びたい学生は、より専門性の高い情報デザイン論やデザインマネジメント等を受講でき、プロジェクト演習とプロジェクト研究によって、調査・分析、コンセプト構築、プロトタイプ作り、プレゼンテーションを行い、総合的に実践力を養います。

4年次は総合プロジェクト(卒業研究)を通じて、ロボティクス・情報デザインに関する課題解決にチャレンジし、解決策を切り開くことで、総合的実践力、自主性、コミュニケーション力を持つことを目標とします。