リサイクルデザイン研究室

モノづくりにおける生産と回収の循環をデザインする!

担当教員:田邉 匡生

廃棄プラスチックは分別ができないゆえに海外では埋め立てられ、日本においては燃料のエネルギーとして焼却されることが多く、海洋プラスチック汚染や地球温暖化などの問題を引き起こしていると考えられています。そこで当研究室では、スマホの5Gよりも高い周波数の電波と光を用いるプラスチックの素材ごとの選別手法やリサイクルしやすいように部品ごとの分解を容易にする接着方法などのリサイクルデザインを幅広い工学的知識を基盤として研究しています。

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インタビュー動画

社会のために

それが廃棄物であっても、素材ごとに分別できればそれは資源になります。つくったモノを素材ごとに分解して回収する循環型社会を実現するリサイクル技術が望まれています。その技術ができれば、鉱山や油田は都市にあると考えることができるようになります。

資源再活用のサイクルで人々の暮らしを守りたい。

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田邉 匡生 教授 TANABE, Tadao

人類の未来のために17の開発目標を謳うSDGs(持続可能な開発目標)。リサイクルデザイン研究室は、「つくる責任、つかう責任」と「産業と技術革新の基盤をつくろう」という2つの目標に合致する研究を行っています。研究テーマは、廃棄物を素材ごとに分別して資源にもどすというもの。研究室では、分別ができないために埋め立てや焼却処分による海洋汚染や地球温暖化などの問題を抱える廃棄プラスチックを、独自に開発したテラヘルツ波と呼ばれる非常に高い周波数の電波と光を用いて、分別に成功。素材ごとに自動で分別できるシステムの開発を進めています。このようなリサイクル技術によって、モノの意匠デザインや設計、製造プロセスなどがこれから大きく変化するでしょう。さらには新たな都市鉱山や都市油田も誕生するかもしれません。

近年の卒業研究テーマ

  • インフラ化学劣化の非破壊テラヘルツ分析

  • 層状半導体デバイス研究開発プロセスの構築

  • 室温におけるCOならびにCO2のテラヘルツスペクトル測定

  • 衛生・環境問題を解決するための表面分析 ―容器包装表面における水付着特性の定量評価―

  • 鉄系腐食生成物のギガヘルツスペクトル

  • 木造住宅の非破壊診劣化診断に向けた木材含水率とギガヘルツ特性の基礎的関係

  • レーザーアブレーションによる結晶性プラスチックのナノ粒子化

  • レーザ加工処理アルミ表面とポリカーボネート樹脂の異種材料接合最適化

  • 紙ごみをリサイクル分別するために必要な物性の検討

  • テラヘルツ波によるEVA樹脂の劣化レベル評価

  • プラスチックの機械特性と摩耗粉サイズの関係

  • PET ボトルのテラヘルツスペクトル ―PETフィルムの吸収係数と融点の関係解明―

  • ボタニカル発電における電極と発電量の関係

学べる分野

[物質科学] [電波・光工学] [非破壊検査工学] [摩擦学] [電子材料学] [光医工学]

キーワード

[廃棄プラスチック] [分別・選別] [電波・光応用] [光計測] [コンクリート内部の非破壊診断] [循環型社会] [光エレクトロニクス] [レーザー] [半導体]

所属学会

[日本金属学会] [応用物理学会] [廃棄物資源循環学会]