02. わたしたちが考える「デザイン」

Design

デザインとは「課題の発見」と「解決策の実装」

わたしたちは生活の中で「デザイン」という言葉をよく耳にするようになりました。ですが、「デザインってなんですか?」と聞かれると、案外答えに困ってしまう言葉でもあります。デザイン工学部に入学すると、まずは「デザインってなんだ?」という話からスタートするのですが、ここでは簡単にデザインについて説明しておきたいと思います。

一般的にデザインという言葉を聞いた時、イメージするものの方向性は大きく2つに別れます。1つは「かっこいい感じにする」といったセンスのようなものであり、もう1つは「分かりやすくする・使いやすくする」といった使い勝手のようなものです。どちらのイメージも「デザインを考える際に考慮すべき要素」なので間違ってはいませんが、それだけでは不十分です。

デザインは「社会やユーザーのために行う設計行為」を指します。そこには先ほどの「使い勝手の問題」もあれば「技術の問題」もあります。もちろん、心地よさや魅力といった「感性の問題」もあります。また、そもそも「社会やユーザーが問題に気がついていない場合」もあります。デザインとはそうした複雑な状況を目の前に行う

  1. 調査・観察から「今、取り組むべき課題は何か?」を考え(観察)
  2. 課題にまつわる様々なデータを取得、分析し(分析)
  3. 総合的な見地からアイデアを考案し(考案)
  4. 様々な技術を駆使してこれを実装する(実装)

という「一連の行為」全体を指します。これを上手く遂行するためには人間の認知メカニズムから生産技術、機械制御、プログラミング、マネジメントなど、幅広くかつ深い知識や技術が必要になります。また、どのようなデザインであっても、最初に考えたアイデアをそのまま実装することはまずありません。常に試行錯誤の繰り返しです。ですので、デザインでは(観察)→(分析)→(考案)→(実装)のサイクルをいかに高速かつ高頻度で回せるかが重要な鍵になります。

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芝浦デザインのポイント01:Take a human-centered approach

デザインの大事な言葉のひとつに「人間中心設計(Human-Centered Design)」という言葉があります。簡単に言うと「常にそれを使う人のことを考えながらデザインしましょう」という話ですが、言うは易く行うは難しの代表格でもあります。デザイン工学部のデザインでもこの考え方は大事にしており、人間の認知メカニズムにおいては人間工学や認知心理学、観察手法としては文化人類学などを勉強するための授業が多いことがひとつのポイントです。

芝浦デザインのポイント02:Transdisciplinarity

どんなデザインをするにしても、様々な知識や観点を踏まえた上で「総合的に勘案する」ことが大事になります。そのためには、分野を横断した「幅広くもあり、それでいて深い知識」が必要になります。デザイン工学部では、生産技術からロボット、ソフトウェア、感性、UX(User Experience)、マネジメントなど、実に幅広い知識を学びます。実際の開発現場では、一見すると関係ないような知識が思わぬところで重要になることが間々あります。デザイン工学部では、そういった場面において分野横断的に活躍できる人材の育成を目指しています。ですので、デザイン工学部では系は2つに分かれていますが、学生や教員は系を横断して交流しています。

芝浦デザインのポイント03:Engineering based Design

デザイン工学部では実装、つまり技術に重きを置いてます。なぜなら「技術から思いつく解決策」というものが多くあるからです。デザイン工学部が「デザイン学部」ではなく「デザイン工学部」である由縁もここにあります。このためデザイン工学部では分析に主眼を置いたデータサイエンス科目や、実装に主眼を置いた工学系の科目が数多くあります。